魚を生で食べる文化はどこにある?
外国人の友人と食文化について話す時、よく魚を生で食べる文化が話題になることがあります。外国人の多くは魚を生で食べる事が信じられません。
そのためお寿司や刺身などの食文化を理解できないことがしばしばあります。しかし最近では寿司屋が世界中で開店していて、少しずつ生の魚を食べる習慣が広がっているのも事実です。
しかし魚を生で食べる文化は日本だけのものではありません。イヌイットは生魚を食べます。フランスやイタリアでは、刺身ではありませんが生ガキを食します。中国地方のホジェン民族は刺身を食べます。
またその他の中国の県でも淡水魚や海水魚を食べる文化があります。シンガポールではサケの刺身、フィリピンではカジキマグロ、ハワイではマグロやカツオ、ペルーやチリではセビーチェという生の魚料理があります。このように世界の様々な地方で生の魚料理は文化として根付いています。
和食人気が高まっている
外国人が生の魚を食べることに抵抗がある理由としては、やはり生物は危険だという意識があることが挙げられます。サルモネラ菌など加熱していない食事は確かに衛生上問題が生じるリスクが高まります。
しかし日本は海に囲まれた国のため、常に新鮮な魚が多くに手に入るという環境にあります。そのため生物を食べることの健康リスクがあまり発生しなかった可能性があります。
そしてそれに伴って生食文化が栄えたと言えるでしょう。また仏教の影響で肉が禁止された事も、魚をより多く食べる習慣につながったと考えられます。
さらに別の理由としては、日本は食品衛生管理が非常に優れているという点があります。食への安心感から、生でも大丈夫という意識が働いた可能性があります。
和食は今世界で大人気
生の魚を食べる文化はなかなか世界全体に拡がるものではありませんが、最近では和食文化の高まりが顕著になっています。
和食は最近ユネスコ無形文化遺産に登録されて話題になりましたが、日本の健康的な食生活が世界に少しずつ、しかし着実に発信されるようになっています。
先述のようにお寿司やラーメンなどを始め、日本の食べ物が世界中を席巻しています。アメリカだけではなくヨーロッパや中米などでも日本食レストランが次々とオープンしています。
そのため今後生の魚を食べる文化も、少しずつ定着していく可能性は大いにあります。